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館長の部屋

第40代 附属図書館長 附属図書館長
大山 陽介

館長プロフィール

令和8年4月1日付で徳島大学附属図書館長に就任いたしました、大学院社会産業理工学研究部(数理科学系)の大山陽介です。就任にあたり、ご挨拶申し上げます。 
私は平成28年(2016年)4月に徳島大学に着任し、その後電子ジャーナルのワーキンググループ委員として図書館運営に関わってまいりました。また、工学基礎教育センター(現・理工学部理工学基礎教育グループ)のセンター長として学部運営にも携わってきました。図書館運営そのものの経験は豊富とは言えませんが、附属図書館本館の向かいに位置する組織で日常的に図書館と関わりを持ってきた立場として、今後は図書館長として丁寧に運営に取り組みたいと考えております。

 

1. 知識の集積所としての図書館 

徳島大学附属図書館は「教育、研究及び学習上必要な図書館資料を収集、管理し、本学の職員及び学生の利用に供するとともに、必要とする学術情報を提供することを目的とする」と規定されております。現在の図書館資料は、紙媒体の図書・雑誌だけでなく、電子メディアや情報データベースなど、多様な形態が含まれます。電子メディアやデータベースは膨大な情報を持ち、学内外へネットを通じて広く接続されており、利用者が容易・安全にアクセスできる環境整備が求められています。 
また、「必要とする学術情報」も時代とともに大きく変化します。情報そのものだけでなく、必要な情報へどうアクセスするかという方法論も、生成AIの急速な発展に伴い重要性を増しています。著作権の扱いも大きな問題であり、図書館が責任を持って現代的な課題に取り組む必要があります。

 

2. 図書館という「場所」 

オンラインで得られる情報が増え、在宅から図書館情報へアクセスする利用も増加しています。コロナ禍は落ち着いたものの、将来的な外部要因を考えれば、「場所」に縛られない利用体制の拡充は不可欠です。 
しかし、時代が変わっても紙の書物の価値は揺らぎません。図書館を訪れる人は、必ずしも明確なテーマを持って来るわけではありません。「なんとなく知りたい」という気持ちで立ち寄り、偶然手に取った一冊が心を動かすことがあります。このような「偶然の出会い」を生む場として図書館は依然として大きな役割を担っています。 
買ったまま積読になっていた本が、何年も経ってから価値を持つことがあるように、図書館に長年借りられていない本も、未来の誰かにとって輝きを放つ瞬間があります。これこそ、図書館が時を超えて果たす文化的価値であり、附属図書館の醍醐味でもあります。
電子ジャーナル価格の高騰や為替変動などにより、資料の購入選定はますます厳しさを増しています。国際情勢が直接大学運営に影響する時代にあって、限られた予算をどのように配分するかは大きな課題です。知識の集積所としての役割を維持しつつ、責任ある選定に努めてまいります。

 

3. 知識の交流の場としての図書館

図書館は、学生と教員が交流する場でもあります。本館・分館ともにオープンスペースを備え、分野を超えたコミュニケーションが生まれる環境となっています。読書支援や学習支援システムを通じ、読書振興にも継続して取り組んでいきます。
特に新入生にとって、学術書の読み方は大きな壁となります。そのハードルを下げる取り組みも進めてまいります。
移動図書館「いずみ」号の来訪は、新しい読書の出会いを提供する場です。徳島市立図書館や徳島県立図書館との連携も重要であり、大学外の知識基盤との協働を進めてまいります。
研究成果を機関リポジトリに収集・公開することは、学内外の研究交流を促進し、学術雑誌高騰への対策としても期待されます。
また、資料検索や作業効率化において、生成AIの活用も避けて通れない課題です。図書館とAIの間に生産的な関係を築いていくことが求められおり、新しい図書館のあり方を模索してまいります。

 

4. 文化財の保全

令和7年9月に、本学附属図書館所蔵の「伊能図」3種10点・地図箱2点が、「伊能忠敬測量図」の名称で国の重要文化財に指定されました。これは本学では初めての重要文化財指定となります。 今後も関係者と連携しながら、貴重な文化財を良い形で後世に残す取り組みを進めてまいります。クラウドファンディングなど、図書館自身の努力も必要であり、皆様のご協力をお願い申し上げます。 
「伊能図」以外にも、附属図書館には価値ある古文書・古地図が多数所蔵されています。重要文化財でなくとも、歴史資料として大きな価値を持つものが多く、これらを守り伝えることも図書館の重要な使命です。
附属図書館の活動は、学術資料の専門知識を持つ多くの職員によって支えられています。職員が働きやすい環境を整備するとともに、時代の変化に応じた新しいスキルを習得できるよう、支援を進めてまいります。

 

5. 終わりに

徳島大学附属図書館を今後も知識の集積所として維持・発展させ学内外を問わず、学生、教職員、研究者の交流の場としての位置を保ちつつ、新しい知を創出して発信していくハブになれるよう、図書館運営を進めてまいります。皆様のご支援を賜りつつ、尽力してまいりますので、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

館長プロフィール

氏  名 大山 陽介(おおやま ようすけ)  
現  職 大学院社会産業理工学研究部理工学域(数理科学系) 教授  
学  位 平成2年3月理学博士(京都大学)  
学  歴 昭和60年3月 京都大学理学部卒業  
昭和62年3月 京都大学大学院理学研究科数理解析専攻 修士課程修了  
平成2年3月 京都大学大学院理学研究科数理解析専攻 博士後期課程修了  
職  歴 平成2年 大阪大学理学部助手  
平成10年 大阪大学大学院理学研究科 講師  
平成14年 大阪大学大学院情報科学研究科 助教授  
平成19年 大阪大学大学院情報科学研究科 准教授  
平成28年4月 徳島大学理工学部 教授  
平成29年4月 徳島大学大学院社会産業理工学研究部理工学域(数理科学系) 教授  
平成31年4月 徳島大学工学部工学基礎教育センター長 (〜令和4年3月)  
令和8年4月 徳島大学附属図書館長  
専門分野 古典解析学、パンルヴェ方程式の代数解析  

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